黄昏（たそがれ）：終わりが近づき、次の段階に移行するような雰囲気

水鏡の紫陽花

静かな水面に揺られながら
紫陽花はゆっくり沈んでいく
かつて鮮やかだった色は
冷たい水に溶けて消えた

息をするたびに滲む輪郭
指先に残る微かな痛み
枯れゆく花びらの重みとともに
わたしも静かに沈んでいく

風はもう届かず
陽の光も遠くなり
ただ水底で揺れる紫陽花が
わたしの影と重なって滲む

こんなにも静かで
こんなにも寂しいのに
それでもまだ、枯れた花びらは
水の中で揺れている