「終焉の砂標」

「終焉の砂標」

【終焉の砂標】
記憶のかけらが、砂時計の中で溶けてゆく

光と影の狭間に、未明の囁きが揺れる
無限の虚空に漂う、透明な悲嘆
その先に、終わりの幻影が淡く浮かび上がる

幾重にも重なった静寂のヴェール
消え行く存在の残響は、虚無の詩となり
内なる闇をそっと撫でる

夢幻の旋律が、淡い光を裂いて
不確かな未来を、無数の影に染める

その一瞬の囁きが、
永遠の終焉を予感させるように
ここに、言葉なき審判が舞い降りる
存在の断片が風に散る時

私は、ただその神秘なる闇に
溶けゆく自己を、見つめ続けるのである。

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