
妹が亡くなって1年経った頃、やっと彼女の遺品整理をすることができた。
彼女の部屋には大量のアニメグッズが仕舞い込まれ、押し入れの中で長年眠っていたせいか、カビが生えていた。
形見として取っておいても、自分にはその価値がよくわからないし、売ったところで得たお金も結局使わずに貯金通帳の奥で眠ってしまう気がした。
形見ってどう扱うのが一番良いのだろう。初めてのことにだいぶ悩んだ。
結局考えた末に、普段からよく使うカメラのレンズに替えることにした。
これなら日常的に手に取り、使うたびに妹のことを思い出すことができる。
形見をただしまい込むのではなく、表立って活かせるものにする。
そうすることで、妹の存在を感じ続けられている。
思い出はしまいこむものでもなく
常にそばにあることが、こんなにもしっくり来るものだと知った。
Leica Summilux 35mm M F1.4 Titanium 2nd